ベテランGメン園川

都内にあるIT商社で数万点のIT商材を扱っています。UTMは数あるシステムの中でも販売機会が多い商材なので、勤務先での経験をお伝え出来ればと思っています。趣味は海外旅行です。
【UTM徹底比較】ソフォスとウォッチガード
UTMの世界シェアはフォーティネットが1位で独走状態ですが、リーダー的ポジションでフォーティネットを追いかける立ち位置のUTM群の中にいるのが、ウォッチガード(WatchGuard)とソフォス(Sophos)です。2社ともに老舗で、長年セキュリティ事業を展開する安心企業でもあります。
今回は、PC50台程度の接続目安のWatchGuard『Firebox T80』とSophos『XGS136』を比較します。
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オペレーター 杏奈
UTM比較ポイント①:価格
同等規模へ導入されている2製品ですが、価格はどのくらい違うのでしょうか。こちらの表をご覧ください。
製品名 | 価格相場 |
XGS 136(Sophos) | 70万円程度 |
Firebox T80(WatchGuard) | 65万円程度 |
SophosのXGS136は5年ライセンス+保守料込みの金額ですが、WatchGuardのFirebox T80はBasic Security Suite3年の金額です。つまり、SophosのXGS136のほうがWatchGuard Firebox T80よりも安いということになります。
ただし、販売店によって価格設定はまちまちなので、あくまで参考として考えてください。
UTM比較ポイント②:スペック
次はUTM機能のかなめ・スペックで比較をしてみます。こちらの表をご覧ください。
XGS 136(Sophos) | Firebox T80(WatchGuard) | |
ファイアウォール・スループット | 7,700Mbps | 4.7 Gbps |
IPSスループット | 1,355 Mbps | 909 Mbps |
VPNスループット | 900 Mbps | 1.4 Gbps |
アンチウィルス | 〇 | 〇 |
不正侵入検知(IPS) | 〇 | 〇 |
WEBフィルタリング | 〇 | 〇 |
アンチスパム | 〇 | 〇 |
同時セッション | 1,600,000 | 500,000 |
VPNスループット数が若干劣っていますが、XGS136がほとんどの項目においてFirebox T80よりも勝っています。ファイアウォールスループットの数値で顕著にスペックの高さが表れており、UTMの基本機能ファイアウォールを有効にしても、ネットワークの早さを保てるということを示しています。
オペレーター 杏奈
UTM比較ポイント③:サポート
Sophos(ソフォス)
Sophos(ソフォス)のUTMのメーカーサポートは、サポートレベル別で3メニューありますが、どのメニューを選んでも最高レベルのカスタマーサポートを受けられます。日本語対応のサポートが平日9:00~17:30で受けられるため、国内企業にとっては安心です。
ただし、コミュニティサイトは英語サイトしかないので、ないものと思った方がいいでしょう。製品不具合時は先出センドバックでの対応となります。保守期間中は最新のソフトウェアをダウンロードできます。
WatchGuard(ウォッチガード)
WatchGuard(ウォッチガード)も基本的に同等のメーカーサポートを受けられます。平日9:00~18:00で日本語サポートです。ウォッチガードの場合、センドバック対応のみではなく、有償にはなりますが、オンサイトで機器交換を行ってくれます。保守期間中は最新ソフトウェアダウンロードもできます。コミュニティサイトはやはり英語のみとなります。
どちらのメーカーも多くの販売店が保守を持っているので、運用サポートを販売店へ委託すれば、日本語対応で、センドバック・オンサイト保守が受けられます。メーカーサポートの比較という意味では、ウォッチガードの方が日本人にやさしいサポートが揃っていると言えるでしょう。
オペレーター 杏奈
UTM比較ポイント④:構築しやすさ
どちらのメーカーも構築を行える販売店があるので、自社で構築できない場合は、製品購入と合わせて構築も頼める販売店を選びましょう。
Sophos(ソフォス)
自社で構築をする場合、メーカーが公開している資料として、スタートアップガイドは日本語版がありますが、取扱説明書は英語版のみとなります。構築する上で英語がわからないとスムーズに進まない点も多いです。
しかし、管理画面がシンプルで初心者にもわかりやすいのが利点で、構築もしやすいという声もあります。ただし、細かく設定を作りこみたい方にはできないことが多いため、もどかしさを感じるかもしれません。
IT Review(https://www.itreview.jp/products/sophos-utm/reviews)の口コミを合わせてご紹介します。
シンプルな設計思想でネットワークの基本機能として、IPSやVPNやメールフィルタリングやWebフィルタリングなどの実装を分かりやすい管理画面のインタフェースを利用して比較的容易に導入できる製品です。
各設定のポリシーを作成する際に、シンプルな画面なのは分かりやすくていいのだが、詳細設計フェーズで細かい設定をする際にもう少し追加したいパラメータがない場合があったので、設定項目を追加してもらえると助かります。
WatchGuard(ウォッチガード)
ウォッチガードは比較的日本語資料が多いようです。スタートアップガイドやナレッジベースも日本で展開されています。ただし、FAQ情報がやや少なく、販売店による構築事例も少なめなので、少し不安に感じる点もあります。
構築を行う場合に、大手のメジャー製品と比較すると対応業者が少ないです。
また、事例も少ないので、一抹の不安がありました。
オペレーター 杏奈
まとめ
Sophos(ソフォス)2勝、WatchGuard(ウォッチガード)2勝で同点の結果になりました。スペックの良さを選ぶならソフォス、価格の安さを選ぶならウォッチガードというのがわかりやすいポイントになるでしょう。どのポイントを重視するかが製品選択の分かれ道です。今回の比較結果も参考にしてみてください。