
都内で複合機のセールスをしていた『まりか』です。1日200社以上に、わざと馴れ馴れしい口調で電話を掛け続けていましたが、その不毛さと罪悪感から3年で退職しました。
効果的なアポの取り方
複合機の営業では、電話で商談のアポイントを取り、現地で営業・提案を行い、受注する流れが大半です。そのため、肝心のアポが取れなければ営業に行くことさえできず、受注に繋がりません。
裏を返せば、アポこそが受注を達成する「要」とも言えます。
今回は、アポを取る際に必ず把握しておくべき情報と効果的なアポの取り方について紹介します。
アポで押さえておきたい情報
アポを取る際には、幾つかのポイントがあります。
やみくもにアポイントを取ろうとしても、うまくいかないことが多いので、押さえておくべき人・押さえておきたい情報を整理しておきましょう。
①アポを取るべき相手
複合機の営業は、電話に出た人にアポを取れば良いわけではありません。必ず「決裁者」にアポを取るようにしましょう。
分野によって様々な営業スタイルがあるでしょうが、複合機の営業は競合他社が多く、テレアポも積極的に行っているため、なるべく早いタイミングでの訪問を狙います。また、理想としては当日の受注をもらいたいものですが、決裁権のない人に営業をしても、その日の受注は期待できません。
そのため、アポを取る前に決裁権の有無、決裁フローを把握し、アポを取るべき相手を見極めることが大切です。
場合によっては、決裁者の他に複合機の担当者が存在していることがあり、選定から導入まで一任されているケースがあります。
決裁フローを把握することができれば、より効果的な営業に繋がるでしょう。
②複合機の型番、使用年数、契約形態
複合機のアポが入る=使用中の複合機に何かしらの不満が抱えているケースが大半です。
複合機に対する不満で多い項目とは?
職場や職種、日常的な印刷枚数、用途など、シチュエーションによって異なりますが、例えば『起動に時間が掛かる、カラー印刷が遅い、紙が詰まりやすい、線が荒い、リース代が高い、音がうるさい…』など、動作・品質・料金・保守など様々な面で不満を抱えていることがあります。
現在お使いの複合機のメーカーや型番が分かれば、その機器の弱みを事前に把握することができ、抱えている不満を解消できる複合機の提案に結び付けることができます。
また、使用年数も重要な情報です。使用年数によっては提案が難しいケースもあります。
例えば、複合機に何の不満もなく、さらに導入して1年未満の会社に営業をしても、あまり意味がありません。導入してから3年以上経過しているユーザーが狙い目です。
使用年数についても、アポを取る前に(電話の段階で)確認しておきましょう。
ただし、使用年数は電話に出た方の記憶に依存する部分も大きいため、間違っているケースも少なくありません。
例
営業:「ご利用中の複合機の型番は分かりますか?」
電話に出た方:「型番?分からないけど、富士ゼロックスのDocuCentre-VI C2271と言うコピー機です」
営業:「いつ頃からお使いですか?」
電話に出た方:「えっと…ゼロックスの担当者さんが来るようになってからだから…10年前かな?」
営業:「!?(2016年発売なのに??)」
上記のケースでは、電話に出た方が「富士ゼロックスの担当者が来た頃」を導入時期と記憶していますが、1~2度は複合機の入れ替えを行ってると推測されます。『DocuCentre-VI C2271』は2016年に発売された機種なので、発売から1年以内に導入されたと仮定すると、使用年数の目星が付けられるので、使用年数だけではなく、型番や機種名も忘れずに確認しましょう。
③複合機の契約形態
複合機は、リースか買取で導入していることがほとんどです。
リースなのか?買取なのか?によっても、提案内容が変わるので、この項目も必ず聞いておきたい情報です。
リースであれば、残金を一部負担する提案ができます。逆に買取であれば、下取り込みの提案をすることが可能です。
このように、いかに現地での営業をしやすくするか?は、アポ段階でどれだけ正確な情報をヒアリングできたか?に掛かっています。より多くの正確な情報を把握できていれば、効果的な営業や受注に繋がる確率が格段にアップするため、アポが営業の成否を握っているとも言えるでしょう。
可能であれば上記の情報に加え、月々の支払い料金や使用枚数などについてもヒアリングできれば最高です!
アポの取り方
情報収集ができたら、あとは決裁者にアポを入れるのみです。
電話口で長々と説明しても聞いてもらえないことがあるので、勢い良く時間をもらいに行きましょう。
過去にも何度か説明しましたが、基本的には「Yesを2回取ったら時間設定」です。ここでの「Yes」とは、お客さんの同意を意味します。
例
営業:「富士ゼロックスの複合機をまだ使っていますよね?」
社長:「そうですね、まだ、使っていますね」
営業:「リースで導入してから3年くらいですよね?」
社長:「そうだね、3年くらいは経つね」
会話の中で「そうだね」などど2回「Yes」を貰ったら、
「それなら、今回バッチリな条件の複合機があるので、〇月〇日あたりに近くを回りますが、〇時頃は事務所にいらっしゃいますか?」
と、多少強引でも訪問前提で時間を設定することが大切です。
「いつなら空いてますか?」と曖昧な聞き方をしてしまうと「忙しい」「急いでないから」などと断られ、アポが入りにくくなります。
また、電話で長々と話してしまうと、面倒くさがられてしまい「また後で」となってしまいがちです。『今日しかチャンスはない』くらいの覚悟で、しっかりとアポを入れましょう。
電話の時点で、現地に実際に訪問した際のイメージを持つことも大切です。そうすれば、アポの段階で何が必要な情報なのか?が見えてくるでしょう。
もちろん、アポの時点で何の情報を持たなくても、営業先で提案内容を考えることもできますが、難易度が高くなり、時間も掛かってしまいます(もたついた印象を持たれてしまいます)。
先に必要な情報を把握したうえで、アポを入れ、質の良いアポを活かして、受注を勝ち取りましょう!
複合機販売会社でテレアポからクロージングまでを行っていたまりかさんによる関連記事です。
テレアポ編
クロージング編
番外編